記録のない国

内閣官房、内閣府、内閣法制局の4人への証人尋問決まる 「国葬文書隠蔽裁判」 8月21日に

2026年05月12日 19時31分  友永翔大

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第7回口頭弁論後に開かれたTansaと弁護団の報告会=2026年5月12日、千金良航太郎撮影

5月12日、Tansaが国を提訴した「国葬文書隠蔽裁判」の第7回口頭弁論が東京地裁であった。大法廷には約90人が集まった。

この日の焦点は、内閣官房、内閣府、内閣法制局の官僚4人と、原告代表のTansa編集長・渡辺周の計5人への証人尋問が決まるかどうか。証人尋問を求めたTansaに対し、国は「尋問しても分かることはないから必要ない」と反論していた。

篠田賢治裁判長は官僚4人の証人尋問を決めた。

3日間の協議に参加した4人

証人尋問が決まったのは、以下の4人。

西澤能之

内閣官房内閣総務官室内閣参事官(当時)、現・総務省行政管理局企画調整課長

 

御厩敷(おんまやしき)寛

内閣官房内閣総務官室企画官(当時)、現・水産庁漁政部漁業保険管理官

 

中嶋護

内閣府大臣官房総務課長(当時)、現・内閣府大臣官房審議官(沖縄政策及び沖縄科学技術大学院大学担当)

 

乗越徹哉

内閣法制局参事官(当時)、現・厚生労働省政策企画調整官

4人は2022年7月12日から14日、内閣官房・内閣府と内閣法制局との協議に参加した担当者だ。この協議を受けて、当時の岸田文雄首相は、安倍晋三・元首相の国葬を閣議決定により実施すると判断した。

国はこの協議について「政策決定プロセスに影響しない軽微なもの」と主張。内容に関し記録した文書を「作成していない」か「捨てた」としている。

このため4人への証人尋問では、どのような協議が実際に行われたのかを聞き出すのが目的だ。

西澤能之(内閣官房)、御厩敷寛(内閣官房)、中嶋護(内閣府)の3氏については、本裁判で報告書が提出されてはいる。だが互いにすり合わせたような形跡や、「記憶がない」という言葉が散見された。

証人尋問は8月21日(金)午前10時から、東京地裁103号法廷で行われる。

Tansa編集長の渡辺の尋問は決まらなかったが、すでに意見書を提出している。以下から全文を読める。

https://tansajp.org/investigativejournal/13621/

2022年7月14日付の2つの文書が争点に

第7回口頭弁論で篠田裁判長は、2つの文書をめぐる国への質疑にほとんどの時間を割いた。

いずれも2022年7月14日付、つまり協議が終わった日に「内閣官房・内閣府」の連名で出された文書だ。

1つは、「国の儀式として行う総理大臣経験者の国葬儀を閣議決定で行うことについて」。Tansaの当初の開示請求に対して内閣官房と内閣府が公開した。閣議決定で国葬を実施してもいいという結論が記された4枚の文書だ。

もう1つは、「安倍元総理大臣の葬儀の形式について」。Tansaが国を提訴後に請求して開示された。1枚の文書で、内容は先に開示された「国の儀式として行う総理大臣経験者の国葬儀を閣議決定で行うことについて」と似ている。

篠田裁判長は2つの文書の対応関係を国に質問したが、国の回答が噛み合わなかった。次回以降の期日の重要争点となるので、2つの文書については後日詳報する。

次回の期日は、6月23日(火)午前10時30分から。東京地裁103号法廷で行われる。

change.orgの署名提出へ

Tansaでは裁判と合わせて「国葬文書」の開示を求める署名を、change.orgで集めています。現在4万3000筆を超える賛同を得ています。5万筆を目標に、2026年6月から7月ごろに国へ提出する予定です。政策決定の過程を誰もが確認できるよう、知る権利を守るための署名に、賛同いただけますと幸いです。

署名はこちら

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