国葬文書は存在した! 内閣法制局・乗越徹哉氏「内閣官房・内閣府から文書を受け取った」 国葬文書隠蔽裁判・証人尋問2日目
2026年08月24日 19時19分 中川七海、友永翔大、辻麻梨子

Tansaが国を提訴した「国葬文書隠蔽裁判」で、8月24日、内閣法制局の参事官だった乗越徹哉氏への証人尋問が東京地裁で開かれた。国が「存在しない」と不開示決定を出した文書が、存在することが明らかになった。
提訴から2年。原告Tansaの「国葬文書がないわけがない」という主張が裏付けられた。
裁判は11月24日に結審し、年明けに判決が出る見込みだ。
「法の番人」が「記憶にないです」連発
この日、証人尋問で法廷に立ったのは、乗越徹哉氏。2022年7月12日から14日の内閣法制局と内閣官房・内閣府の3者協議に、法制局の参事官として臨んだ。この協議を経て、当時の岸田文雄首相が「内閣法制局ともしっかり調整をした」と言って、安倍晋三元首相の国葬を閣議決定により実施すると表明した。
ところが乗越氏は、同じような証言を繰り返す。
「当時の認識というのを、今は思い出せないです」
「答える立場にありません」
「記憶にないです」
乗越氏は、2時間近くに及ぶ被告代理人、原告代理人、裁判官たちからの質問を「記憶にない」でかわした。
最も酷かったのは、国葬を閣議決定で実施できることを記載した文書に関し、内閣法制局から内閣官房に出した修正指示の理由を「思い出せない」と答えたことだ。これには、篠田賢治裁判長が自ら問い詰めた。
「一般的に、法制局はめちゃくちゃ理屈を重んじる世界なので、理由について納得しないまま各省に修正しろとか言わないんじゃないかと思うんですけれども」
「当然あなたも、(修正の根拠を)理解した上で、修正してくれと言ったんじゃないかなと思うんですけど、違いますかね」
裁判長に押された乗越氏は「それは、あの、はい、ちょっと申し訳ないっていうか……」と口ごもったものの、最終的にはこう答えた。
「本当に覚えていないです」
覆った「文書不存在」
しかし、「記憶にない」乗越氏が、しっかり覚えていたことがある。
国の儀式について定めた「内閣府設置法」に関する、内閣官房・内閣府とのやり取りだ。
7月12日の3者協議では、内閣府設置法の法解釈が俎上に載った。翌日以降も協議は続いていたとして、乗越氏はこう証言した。
「内閣府設置法の解釈に関する資料は、(内閣官房・内閣府側に)全部公開いただいて、確認したように思います」
「12日だったのか、その後のことだったのかは、はっきりしないんですけれども、いずれにしても内閣官房・内閣府から(文書を)頂いて、その内容を確認したというふうに理解しています」
内閣官房も内閣府も、内閣法制局との協議に関する文書は「不存在」と主張してきた。
その主張が、乗越氏の証言により覆された。
次回結審:11月24日午前10時30分、東京地裁103号法廷
証人尋問の内容を元に、原告・被告双方が最後の準備書面を作成する。
次回期日は結審で、2026年11月24日(火)午前10時30分、東京地裁103号法廷で開かれる。年明けに判決が出る見込みだ。
<お知らせ>期日報告会をYouTubeでアーカイブ配信中
2日間の証人尋問を終えた8月24日午後4時30分、都内で報告会「国葬文書隠蔽裁判 証人尋問 官僚たちは何を語ったか」を開催しました。
原告・Tansa編集長の渡辺周と弁護団全5人が説明に立ち、官僚たちの主張や尋問のポイントをお話ししました。
Tansa公式YouTubeでアーカイブ映像を配信しています。こちらからぜひご覧ください。
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