Tansaを知る

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    Tansaは、探査報道を専門とする報道機関です。当局発表を右から左に流す「記者クラブ報道」とは違い、暴露しなければ永遠に伏せられる事実を、独自取材で掘り起こし報じます。従来は「調査報道」と呼ばれてきましたが、単なる調査ではなく、膨大な労力と高度な技術が必要なため「探査報道」という言葉を使っています。英語では「捜査」の意味合いがある「investigation」という言葉を用い「investigative report」と言っています。
    Tansaは探査報道に特化したジャーナリズム組織

    暴露するのは、政府や企業、犯罪集団組織などが隠蔽する不正です。テーマは、大きな力に虐げられている人々のために、何を変えたらいいかという視点で選びます。問題の構造に切り込み、犠牲者や被害者の置かれている状況を変え、将来の被害を防ぐことが目的です。着手したら事態が変わるまで報道を続けていきます。

  • Tansaは探査報道に特化したジャーナリズム組織
  • ジャーナリズムのグローバルスタンダードは、世界規模での連携
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    運営資金は読者からの寄付、財団からの助成金、探査報道ジャーナリスト養成学校事業での収入で賄っています。広告収入を受け取らず、スポンサーからの影響に独立した立場を守ります。社会を変えたいと願う誰もが、個々人の経済事情に関わらず、探査報道にアクセスできるよう購読料も取りません。

    ジャーナリズムのグローバルスタンダードである、世界規模での連携を重視します。探査報道が挑む国家権力や企業は、すでに国境を越えて広く活動しているからです。Tansaは2017年、探査ジャーナリズム組織でつくる国際的アソシエーション「探査ジャーナリズム世界ネットワーク(GIJN)」に日本で初めて加盟し、公式メンバーとなりました。報道機関としては国内で唯一の加盟組織です。2024年11月現在、95カ国から251組織が加盟しています。

5つの約束

  • 1.旬のニュースを消費せず、事態が変わるまで報道します

                           

    私たちは、探査報道によって犠牲者が置かれている状況を変えることを目指しています。取り上げるテーマは犠牲者を救うために何を変えたらいいのかという視点で選びます。読者の興味に合わせて次に移ることはしません。着手したら、事態が変わるまで粘り強く報道を続けます。

  • 2.手間ひまかけます

                           

    隠された事実を発掘するため、手間を惜しみません。「買われた記事」は取材の本格着手から10か月、製薬マネーデータベースの作成には3000時間、「消えた核科学者」は7年半かかりました。記者クラブに所属して情報のパイを奪い合い、いずれ分かることを早く報道するような競争に私たちは加わりません。

  • 3.最高水準の技術で臨みます

                           

    私たちは常に世界中のパートナーたちとつながっています。GIJN主催の国際会議には、2017年の南アフリカ大会、2018年のソウル大会、2019年のハンブルク大会と3年連続で参加しました。探査報道を手がけるジャーナリストたちが持ち寄った最新の取材技術を、その都度吸収しています。これまで34カ国の報道機関と協力して取材、発信をしてきました。あらゆる問題を国際的な視点で捉え、世界水準の技術を磨き続けます。

  • 4.顔色をうかがわず、全力でぶつかります

                           

    私たちは常にジャーナリストとしての倫理を最優先して、取材相手に全力でぶつかります。権力や広告主に遠慮をすることはありません。取り得るあらゆる手段を使って、不正の事実と証拠を入手します。

  • 5.若手ジャーナリストを育成すると共に、技術は社会で共有します

    インターネット上で誰もが情報を収集し発信できる時代では、ジャーナリストは職業人としてより高度な仕事が求められます。Tansaが運営する探査報道ジャーナリスト養成学校で、全国の若手ジャーナリストやジャーナリスト志望の学生を育成します。またTansaが日頃の取材で培った技術は社会で広く共有し、市民が的確な情報を収集して発信する手助けをします。

  • 沿革

                           

    Tansaの前身であるワセダクロニクルは2017年2月、早稲田大学ジャーナリズム研究所のプロジェクトとして創刊しました。「大学発メディア」として、ジャーナリズムの実践とジャーナリスト教育の両立を目指しました。創刊から1年後の2018年2月には、ニューズルームとしての責任をより明確にするため、大学から独立してNPO法人格を取得しました。ジャーナリスト教育に力を入れるという当初の目標は引継ぎ、2020年11月に探査報道ジャーナリスト養成学校を開校。2021年3月、ワセダクロニクルから、「Tokyo Investigative Newsroom Tansa」に改名しました。

  • 沿革
  • 受賞歴
    2025年
    シリーズ「公害 PFOA」=日隅一雄・情報流通促進基金「日隅一雄・情報流通促進賞2025【奨励賞】」

    『終わらないPFOA汚染』=隆祥館書店「2024年下半期ノンフィクション本大賞」入賞
    2023年
    シリーズ「公害 PFOA」=メディア・アンビシャス「2022年メディア・アンビシャス大賞【活字部門】優秀賞」

    シリーズ「誰が私を拡散したのか」=ジャーナリズム支援市民基金「第4回ジャーナリズムXアワード大賞」
    2022年
    シリーズ「公害 PFOA」=一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ「PEPジャーナリズム大賞&課題発見部門賞」

    シリーズ「双葉病院 置き去り事件」=SOPA 2022 Awards「The Society of Publishers in Asia Awards 2022」、ジャーナリズム支援市民基金「第3回ジャーナリ ズムXアワード大賞」
    2020年
    データベース「JUDGIT! 」=一社オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構「最優秀賞」(政策シンクタンクの構想日本、データ可視化が専門のVisualizing.JP、日本大学文理学部情報学科の尾上洋介研究室との共同受賞です)

    報道機関「ワセダクロニクル」=ジャーナリズム支援市民基金「第1回ジャーナリズムXアワード大賞」
    2019年
    データベース「JUDGIT! 」=Linked Open Data チャレンジ Japan 2019 「アプリケーション部門・優秀賞」
    2018年
    シリーズ「強制不妊」=反貧困ネットワーク「貧困ジャーナリズム大賞」
    2017年
    シリーズ「買われた記事」=日本外国特派員協会(FCCJ)「報道の自由推進賞」
  • 受賞歴
ライブラリー

Tansaのこれまでの刊行物や、メディア掲載などの資料をこちらからご覧いただけます

主なサポート団体

ラッシュジャパン合同会社

過去のサポート団体

Judith Neilson Institute 小河正義ジャーナリスト基金 公益財団法人ウェスレー財団

チームメンバー

  • 渡辺 周

    渡辺 周

    編集長

    「0からの足し算」を面白がる
    2000年に日本テレビから朝日新聞に移籍し、社会部や特別報道部で探査報道を担いました。原発事故後の連載「プロメテウスの罠」では、原発立地町・福島県大熊町の苦悩を描いた「原発城下町」などを書きました。手がけるテーマは、未解決事件や環境問題、政治の腐敗というように幅広いのが特徴です。「100からの引き算」より「0からの足し算」を面白がるのがモットーです。ホッピーを飲むのが好きです。たまに小説を書きます。

  • 辻 麻梨子

    辻 麻梨子

    リポーター

    流れを止める杭になる
    大学卒業後、東洋経済を経てTansaへ。デジタル性搾取の構造を報じるシリーズ「誰が私を拡散したのか」などを執筆しています。性的な画像を盗撮・拡散されたり、画像をもとに脅されたりする被害が絶えません。オンラインでは、情報が激流のごとく拡散し、人々の尊厳や安全を傷つけています。社会はそれを放置し、加担さえしています。しかし私は見過ごせません。報道で問題の構造と責任を暴き、流れの中に杭を打つように、被害を抑止する力になります。

  • 中川 七海

    中川 七海

    リポーター

    ぴったりの職業
    寝ても覚めても、頭にこびりついて離れない不条理がたくさんあります。大学卒業後は3年間、国際NGOに勤めました。身体は一つ、限られた時間で私に何ができるのかを考えた結果、探査報道を全うすることに決めました。2020年からTansaへ。納得いくまで取材を重ね、ストーリーに乗せて真実を伝える仕事が性に合っています。近い将来、Tansaが民主主義を支える社会インフラになることを目指しています。よく飛行機に乗り遅れるので、空港探検ばかりしています。

  • 千金良 航太郎

    千金良 航太郎

    映像記者/メディアデザイナー

    持続可能な報道を考える
    大学在学中にインターンで参加し、卒業後は毎日新聞社へ入社。京都支局でウトロ放火などの事件取材、東京本社でデジタル編集を経験した後に退社しTansaへ戻りました。マスコミを辞め加わったのは、新聞に代わる新しい報道機関を育てなければならないと考えたからです。私の仕事は映像制作やデザインを通じて報道をより良い体験として皆さんに届けること、そしてTansaを持続可能な組織として成長させることです。趣味は魚を捌くこと。寿司も握ります。好きなネタはイワシ。

  • 佐野 誠

    佐野 誠

    スタッフ

    奮闘するTansaを支えたい
    1975年生まれ。2017年にマンスリーサポーターとなり、2020年、会社勤めをやめたのを機に、友人の紹介でボランティアとして参加。家業の傍ら、主に事務サポートをしています。理不尽な現状をジャーナリズムの力で変えようと奮闘するTansaを、運営面で少しでも支えられたらと思っています。最近の趣味は古典映画鑑賞。『オペラハット』などフランク・キャプラ監督の人情喜劇がお気に入りです。

  • 小川 湖羽

    小川 湖羽

    ユースリポーター

    映像が浮かぶ記事を
    ドラマを観ることが好きです。まるで自分が主人公になった気分で、喜んだり怒ったりしています。シリーズ「公害PFOA」を初めて読んだときは、新たなドラマとの出会いのようでした。住民を苦しめているのに、企業も行政も責任をとらない事実に怒りを覚えました。当事者のように「悔しい」と感じたのです。ドラマのような臨場感のある記事を私も書きたいです。お勧めドラマは「ヴィンチェンツォ」。2025年春から大学で人文学を専攻。

  • 佐々木 紘子

    佐々木 紘子

    ユースリポーター

    「知るべきこと」を伝えたい
    ウクライナの戦場で、うつ伏せで銃を構える兵士。その隣で、ヘルメットを被りマイクを握るジャーナリストをテレビで見ました。まさに、命がけです。その時、ジャーナリストのおかげで、「知るべきこと」を知ることができていると感じました。私も「知るべきこと」を明らかにして報道したいと思い、Tansaに加わりました。今は大学3年生です。夏から1年間イギリスの大学に留学し、ジャーナリズムを学びます。

団体概要

                       
法人名 特定非営利活動法人Tansa
住所〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15 浜松町ダイヤビル2階

※宛先は必ず「特定非営利活動法人Tansa」にしてください。
法人格のない「Tansa」や、編集長、リポーターの名前では届きませんのでご注意ください。

役員
理事長
渡辺周
理事
辻麻梨子
中川七海
千金良航太郎
監事
松井香
顧問弁護士 喜田村洋一
国際アドバイザリーボード
花田達朗
フリーランス社会科学者、早稲田大学名誉教授、東京大学名誉教授
林怡蕿
立教大学社会学部教授
松井香
JAPAN革新継承株式会社 代表取締役
矢部寛明
認定NPO法人底上げ 理事⻑、東北芸術工科大学 教員
近藤Nick直樹
一般財団法人JAPAN革新継承基金 代表理事
スティーブン・バトラー
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)シニアプログラムコンサルタント
ゲルト・コッパー
ドルトムントTU大学名誉教授
ロバート・J・ローゼンタール
探査報道センター Reveal 元事務局⻑

※メンバーのプロフィールはこちらからご覧いただけます

設立 2018年2月
財務レポート 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度
規程類 定款 コンプライアンス規程 役員及び従事者の利益相反防止のための自己申告等に関する規程
活動案内 三つ折りパンフレット
特定商取引法に基づく表記 こちらをご覧ください

お問い合わせ

寄付に関して:support@tansajp.org

Tansa Schoolに関して:school@tansajp.org

一般的なお問合せ:contact@tansajp.org

情報提供についてはこちらをご覧ください

その他

  • 著作権および内容についての責任

    当サイトに掲載されている著作物に対する著作権は、特定非営利活動法人Tansaに帰属します。 編集長は、当サイトに記載された事実関係や表明された意見に関して責任をもちます。特定非営利活動法人Tansaの法律顧問は公益社団法人自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士です。

  • プライバシーポリシー

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    詳しくはこちらをご覧ください。

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