ワセクロの五感

中学生の頃の私へ(18)

2020年08月18日6時26分 辻麻梨子

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学生時代、人前に立つのが苦手だった。学校はやたらと大勢のクラスメイトの前に立ったり、そこで何かを発表したりすることを求められる場だ。

 

中学校の美術の時間には、クラスメイトが1人ずつ週替わりでモデルとなり、それをスケッチする授業があった。みんなからよく見える美術室の教壇の上に立ち、ポーズをとらされるのだ。もちろん私にとっては、拷問のような時間だった。自分の順番が回ってくる日が怖く、台風で学校がなくなればいいのにと強く願った。急に高熱が出ないかと思い、前日の夜は布団をかけないで寝てみたりした。しかし翌日は無事にやってきて、結局教壇の上に立たされて恥ずかしい思いをした。

 

そんな私だが、8月8日に行われた製薬マネーデータベースの公開記念シンポジウムでは、15分ほどデータベース作成の手順と苦労について話をした。今でも大勢の前で話すのは緊張するが、苦手意識はなくなった。ここ2年ほど、ワセクロのイベントやシンポジウムで人前に立つことが増えているからだろう。

 

世界の探査報道ジャーナリストが集まるカンファレンスでは、2018年のソウル大会、2019年のハンブルク大会と2年連続プレゼンテーションをした。プレゼン後は他国のジャーナリストから、さまざまな質問を投げかけられた。話が弾み、発表をする側の面白さを知った。ワセクロの活動を通して、自分が少しずつバージョンアップしているような気分だ。昔の自分に教えてあげたい。今の私には、自信を持って語れるものができたということを。

リポーター 辻麻梨子

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