リーダーの条件って何だろうということを、Tansaを創刊してから考え続けている。
それまでは大きな会社の中で、自分が最終責任を取るようなことはなかった。上司や幹部に楯突く「暴れん坊」でもよかった。
だが組織として活動していく以上、リーダーが全責任を負うことになる。しかもTansaは、小さい組織で政府や大企業、犯罪組織と探査報道で対峙する。リーダーが対外的な闘いで負ければ組織は潰れる。対内的に誤った言動を取れば自壊する。組織が継続していくには、次のリーダーをどうするのかも非常に重要だ。
多くの失敗と、様々なリーダーとの出会いを重ねた末、私が考えるリーダーの条件は三つに絞られた。
・組織が担う職業への哲学を持っている
・自分の感情よりも、組織の損得を優先できる
・組織のメンバーのことを心から大切に思える
リーダーといってもそれぞれに個性があっていいが、この三つの条件は必須だと思う。
そこへ、条件をもう一つ加えたいと思う出会いがあった。きのう、全日本港湾労働組合関西地方大阪支部の小林勝彦・執行委員長を取材した。
全港湾大阪支部は、関西の生コン産業従事者でつくる労組「関生支部」の闘いをバックアップしている。警察と検察が総力をあげて関生を弾圧する中、多くの労組は知らんふり。弾圧する側に加担する労組もあるが、全港湾は共に闘っている。
取材の趣旨は関生への弾圧に関することだったのだが、取材が終わり雑談をしている中で、リーダーに必要な条件が話題になった。
小林さんはその点について、関生の湯川裕司委員長と意見が一致しているという。
「リーダーは、ピラミッドの頂点であってはならない。それは単に組織の独裁者になるということでしかない。立体的なピラミッドの頂点ではなく、ピラミッドをパタンと倒して平面にした時、その三角形の頂点にいる必要がある。つまり組織の先頭に立って闘うのがリーダーだ」
湯川さんも小林さんも、常に闘いの渦中に身を置いてきた。だからこそ出てくる言葉だ。自分は安全地帯にいて指図を出す人たちには、分からないだろう。
小林さんは、全港湾大阪支部のロゴが入った赤いタオルをプレゼントしてくれた。私が敬愛するアントニオ猪木が、リングに上がる際に首に巻いていたタオルに似ている。「闘魂タオル」と名付けて愛用している。

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