編集長コラム

「問われる」のはマスコミ各社の方だ(197)

2026年01月31日16時37分 渡辺周

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毎日新聞が2026年1月30日、「本紙記者が旧統一教会関連行事に参加」と報じた。

「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の内部文書とされる『TM特別報告書』に、毎日新聞社の記者が教団関連のイベント等に参加していたとの記載がありました。毎日新聞社の社内調査で判明しました」

この記者のことは、TansaもTM特別報告書の中で発見していた。統一教会関連のイベントに参加して「あまりに素晴らしく感動的」と感想を統一教会に寄せたと書いていたので、一同、思わず目を疑った。選挙期間中は、まずは自民党と統一教会との癒着を検証することが重要と判断し、毎日新聞への取材は後日にと考えていたのだが、毎日新聞が自ら報じた。

毎日新聞の記事によると、記者は2019年8月に夏休みを利用して、教団関連のシンポジウムを取材し、会食にも参加した。「感動的な機会でした」という趣旨の発言をしたと認めているが、教団関係団体の主催とは認識していなかったという。渡航費や宿泊費は統一教会側が負担しており、返金の手続きを進めている。

毎日新聞社社長室広報ユニットは、以下のようなコメントを出した。

「旧統一教会の関連のイベントに記者が参加し、発言したことは不適切でした。教団の問題で被害を受けた方々や読者の皆様におわびします」

毎日新聞は、TM特別報告書に関する記事をこれまでに出している。2026年1月23日には「検証:旧統一教会特別報告『安倍氏と5回会った』 教団幹部『比例20万票死守』」という記事を出している。おわびは当然だろう。ただ、イベントに参加し発言したことが不適切だったとしか言及しておらず、極めて不十分だ。

実は、統一教会のイベントに参加したり、賞賛する感想を寄せたりした記者として、TM特別報告書に登場するのは、毎日新聞だけではない。他の全国紙やテレビ局、雑誌の記者も出てくる。「汚染」状態だ。

Tansaとしては、マスコミと統一教会との関係も取材していくつもりだ。

しかしマスコミ各社は、TM特別報告書を入手した上で、自社の社員と統一教会との関係の有無を自ら検証するべきだ。もしジャーナリズムを担う意思が、少しでも残っているならば、同業者であるTansaの手を煩わせるようなことはしないでほしい。

マスコミの選挙報道には、やたらと「問われる」という言葉が出てくる。政党や候補者たちが問われるという意味なのだろうが、問われているのは自分たちなのではないか。

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