編集長コラム

民(たみ)の力(141)

2024年12月21日9時31分 渡辺周

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国葬文書の開示を求めるオンライン署名が、どんどん集まっている。change.org上で12月18日にTansaが署名を開示したところ、すでに1万3994人分が集まった。こうしてコラムを綴っている間にも、刻一刻と増えている。

キャッチフレーズは「#ないわけないだろ国葬文書/情報公開制度を取り戻したい!」。安倍晋三元首相の国葬をなぜ閣議決定したのか。Tansaの情報公開請求に対し政府は、官邸側と内閣法制局の3日間の協議記録を「とっていない」か「捨てた」という理由で不開示にした。

3日間も重要事項を協議しておきながら、文書が「ないわけないだろ、嘘をつくな」という怒りをキャッチフレーズには込めた。

署名をした人たちが寄せたメッセージからは、怒りがひしひしと伝わってくる。一部を引用する。

「情報は本来市民のもの。公開するのにはばかられる後ろめたいことがあるのでしょう。だとしても、非公開は許されません。だからこそみんなの力で情報を公開させましょう」

 

「国民の意見が二分しているにもかかわらず強行したうえ、その経緯も辿れないなんておかしい」

 

「この国の秘密主義、そして不公正をそのまま是認させようとする日本政府の姿勢を全否定し、あらゆる不公正と秘密が解き明かされ、糾されることを切に願います」

 

「この国は行政文書を軽く見るようになった。このままでは国の体をなさなくなる」

 

「息をするように嘘をつく。もう都合悪いことは嘘で塗り固めるのが通例になりつつある」

 

「文書に残すのは民主主義国家の基本です。それが出来ない、出来ていない国は民主主義国家とは呼べない腐敗した独裁国家か、国家になっていない紛争地域ぐらいなもんです」

 

「国民を愚弄するのもいい加減にしろ」

2年前、「憲政の父」といわれる政治家・尾崎行雄(1858~1954)の孫で、通訳者の原不二子さんにお会いする機会があった。尾崎の精神を後世に伝える「学堂会」で、私が日本のジャーナリズムの再興について話をしたご縁だ。原さんは学堂会の創始者だ。

原さんが「民(たみ)」という言葉を使っていたことが、印象に残っている。地に足をつけて懸命に生きる人たちの力が宿っている、「たみ」にはそんな響きがあった。

「民の声を聴くのよ、決めるのは民よ。民が決めるの」

署名はまだまだ集める。

民の声を届ける相手は、石破茂首相、岩尾信行内閣法制局長官、村上誠一郎総務大臣の3人だ。

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