
TM特別報告書
統一教会は、ただの善意で自民党議員を支援するわけではない。友好関係を結ぶのも好意があるからではない。教団の役に立ち、信者と同じように教義を理解することが求められる。
TM特別報告では、自民党議員たちの統一教会への献身の詳細が、総裁のハン・ハクチャ(韓鶴子)に伝えられている。
ある議員はマスコミ対策を要求され、ある議員は統一教会のイベントを成功させるための責任者を務めた。思想教育を受けた議員もいる――。
産経新聞・元政治部長の北村経夫に「東京ドームを借りたい」
2019年7月の参院選で、統一教会は北村経夫を支援するよう安倍晋三から依頼された。北村は産経新聞の政治部長を経験し、2013年に参議院議員に初当選した。現在は自民党の「外国人政策本部 安全保障と土地法制に関するPT」の座長などを務めている。
統一教会の念願は安倍に食い込み、影響力を行使すること。安倍に恩を売るため、教団を挙げて北村の選挙を支えた。北村は、比例区で17万8210票を獲得して当選した。
3日後の7月24日、北村が東京都渋谷区・松濤にある統一教会本部を訪れた。この日のTM特別報告で、統一教会会長の徳野英治が書いている。
安倍首相から直接依頼を受け、6年前の参議院選挙と同じように今回の選挙でも応援し、今回も当選した北村経夫議員が本日、徳野会長と梶栗UPF議長に礼を伝えたいと直接松濤本部を訪ねてきました。
北村議員はこれまで私たちが主催した大会、集会に多く参加しましたが、松濤本部を訪ねたのは今回が初めてです。
徳野は、自民党幹事長代行の萩生田光一を通じ、首相の安倍から感謝を伝えられたこともアピールする。
北村議員の選挙投票結果から説明しますと、自民党の全国比例区で立候補した候補者は33名で、その中で当選者は18名(正しくは19名 *Tansa注)でした。
そのような中で北村議員は11番目(正しくは13番目 *Tansa注)という結果であり、得票数は約18万票で残念ながら目標とした20万票には届かなかったものの、前回の選挙より約4万票増え、自民党本部では大変高く評価されたといいます。
選挙の翌日の7月22日には、私たちと安倍首相との会談を今まで4度セッティングし、仲介者の役割をしてくれた自民党幹事長代行の萩生田議員を通じて、徳野会長と梶栗UPF議長に必ず感謝の礼を伝えてほしいと、安倍首相からの正式な感謝も伝えられました。
北村は、総裁のハン・ハクチャへの感謝の意を伝える。
北村議員が松濤本部にいらっしゃり、梶栗本子夫人から北村議員に当選祝いの花束を贈呈し、皆で記念写真を撮りました。
それから約1時間選挙戦を振り返り、お互いの苦労を労い、とても和気あいあいと喜びに満ちた場を持ちました。
まず北村議員が「どうか韓鶴子総裁に感謝の気持ちをお伝えください」と言いました。この場には家庭連合として私とイ・ソンマン副会長、堀副会長、田中副会長。そして、UPFの梶栗会長と魚谷事務総長、平和連合の横田理事長と、松本事務局長。そして今回の選挙で、本部から現場の教会長、婦人代表たちなど、最も熱心に多くの電話連絡をした刑部復興局副局長などが出席しました。
当選した北村に対し、統一教会は四つの要求をする。
私は北村議員に労いとお祝いの言葉を伝え、次の四つのお願いをしました。
一つ目は、これからはこれまでよりも安倍政権と真のお母様とのパイプ役をしてください。そのためにも真のお母様の代理の立場である私たち家庭連合、日本UPFと安倍政権とをつなげてくださいと強調しました。
二つ目は、日韓関係がとても悪化しているため、北村議員の力をもってして安倍首相にアドバイスをし、またさまざまな分野、日本政府の外務省、経済産業省、防衛省などを動かし、日韓関係改善のために尽力してくださいとお願いしました。
三つ目は、北村議員はなんと言っても5大新聞の一つである産経新聞の政治部長出身であり、マスコミ交渉の分野でマスコミと家庭連合のパイプ役をしてほしいとお願いしました。
四つ目は「東京ドーム」を借りるための交渉依頼だった。統一教会はそれまで、東京ドームでイベントを開いていたが借りにくくなっていたという。
そして四つ目には、そのマスコミとのパイプを通じて私たちが東京ドームで大会を開催できるように交渉してほしいともお願いしました。実際に東京ドームは空いている時がなく、残念ながら最近の東京ドームは私たち統一グループに否定的であり積極的に貸そうとはしません。
それを打破し、近い将来に東京ドームで韓鶴子総裁をお迎えする大会を開催しようとしているので、どうかそのパイプ役をしてほしいというお願いをしました。
基本的に北村議員本人は今回の当選を大変喜び、感謝しており、私たちの統一運動のおかげで当選したということがはっきりしたため、今後も私たちと運命を共にしていく決意をしてくれました。本当に良い出会いの場でした。
「ピースロード」香川実行委員長、平井卓也デジタル大臣
デジタル大臣などを務めた平井卓也は、「ピースロード」という統一教会関連団体のイベントで、地元香川での実行委員長を務めた。2026年の衆院選では香川1区から立候補している。
ピースロードは、自転車で全国を走るイベントだ。イベントのホームページには、次のような謳い文句がある。
「『One Family under God』のビジョンを中心に人種と国境を超え、全世界を平和の道で連結することにより、日韓友好と世界平和を実現します」
2021年8月28日、四国などを管轄する第4地区長のキム・マンジン(金満辰)によるTM特別報告。平井が実行委員長を務めたことを「大変鼓舞的」と評している。
愛する真のお母様
真のお母様が祝福してくださった天宝入籍と43家庭の実世化運動は、4地区の地域復帰と国家復帰の大きな原動力になっています。最近のピースロードの熱気は凄まじいです。
「ピースロード日本4地区香川出陣式」 には、4地区の71名の祝福家庭の政治家たちと信者たちの活動で、日本で最近有名な政治家の一人の平井卓也長官(日本デジタル大臣)が4区ピースロード実行委員長になり、ご一緒した事実は大変鼓舞的であり、真のお母様の新統一安着のための平和運動の格が上がっている証拠でもあります。
平井卓也長官が日本4地区ピースロード実行委員長として活動していると、岡山県では県庁(韓国の道庁のような機関)が公式にピースロードを後援することになり、岡山県のすべての国会議員、市長たちが私たちの2世たちと自転車に共に乗り、ピースロードを通じた日韓一体化運動に賛同するようになりました。
この姿は岡山TVのニュースに3分も時間を取って、詳しく報道もされました。特に香川県では知事として市民たちの全幅的な支持を受けている浜田知事が、直接ピースロードを県庁の公式後援団体として指定したため、香川県のすべての政治家たちが私たちのピースロード活動に公式に参加することになりました。
意味のあるところに道があるという言葉の通り、私たちの活動の意味を支持している人士たちが至る所で現れ、私たちと共にしています。
牧島かれんに「思想講義」
自民党青年局長だった牧島かれんには、統一教会が「思想講義」を行なったという。
牧島は2012年に神奈川17区で初当選。2020年9月に、自民党青年局長に就いた。2026年1月27日公示の衆院選でも、神奈川17区から立候補している。
2020年10月24日、勝共連合会長の梶栗正義によるTM特別報告。
昨日お話しした通り、今日の午後の時間に自民党青年局長に新しく就任した衆議院3選の牧島かれん議員に、思想講義をしました。
自民党青年局長は、首相になるための登竜門として知られている自民党本部の要職です。幹事長の代わりに全国を忙しく回り、青年支部だけでなく、さまざまな業界の地方組織と連携し幅広い民間団体の意見を聞き、国家政策に反映させる仲介の役割をするため、全国に広く人脈を構築できる立場になります。
牧島議員は今回女性議員としては自民党結党以来、初の女性議員として青年局長に就任する、党内での将来が有望視される代表的な女性青年議員です。
彼女は子ども時代、アメリカ南部ジョージア州で過ごし、日本で大学を卒業したのち、ジョージワシントン大学大学院課程を修了したアメリカ通の議員でもあります。今日の講義でも日米韓が太平洋文明圏時代を開いていく主役だという内容を聞き、うなずきながらその重要性を深く認識し、真の父母様の思想と運動がどんなに先見の明あふれる偉大な内容であるかを理解し始めたようです。
牧島にはハン・ハクチャの自叙伝を渡し、牧島は統一教会の学生信者が全国に2万人いることに大きな関心を寄せたという。YSPとは「世界平和青年学生連合」という統一教会の関連団体のことだ。
講義の前後の懇談の時間にも気持ちの通じ合う良い交流ができ、私がお母様の自叙伝を渡しながら竹内YSP会長を紹介する時間を持ちました。牧島議員は私たちの青年学生が、全国に2万人以上いるということに大きな関心をみせ、これから活動の次元でうまく連携できたら、という竹内会長の言葉にも積極的な姿勢をみせました。
私が今日の講義と懇談会を通じて最も勝利感を強く感じた点は、議員が最初に部屋に入ってきた時は、国政を担う立場から、一介の支持者に会いその気持ちを聞くという表情と姿勢を見せていた彼女が、講義と対話を通して学生のような姿勢に変わっていきながら、真の父母様への尊敬の気持ちと、国のために献身的に活動を行ってきた私たちの先輩信者たちへの畏怖の念を見せ始めたことです。
非常に小さな一歩ですが、このように議員一人一人を教育し信頼関係をつくっていくことが、これからの日本社会で祝福家庭が尊敬を受け、教会と運動が市民権を得る基盤になると確信しております。これからも真の父母様の位格と基盤をつくることに尽力いたします。ありがとうございます。
(韓日翻訳:姜旼宙)
(敬称略)
「TM特別報告書」を報じるにあたって
TM特別報告書に関し、統一教会は反論し、自民党は目を背けています。
統一教会側からは2026年1月16日、世界平和統一家庭連合広報渉外局が「『TM特別報告 』(俗称)に対する当法人の見解」を公表しました。
見解では、TM特別報告書を作成した元世界本部長のユン・ヨンホ(尹煐鎬)氏のもとで活動していたとされる職員のリポートを掲載。TM特別報告書には意図的な省略、書き換え、追記が含まれている可能性が高く、「極めて信憑性に欠ける」と指摘しています。リポートの筆者である職員は匿名で、役職等も記されていません。
また、TM特別報告書に出てくる日本の政治家との関係については、「事実関係を超えて表現が誇張されている、文脈が脚色されている、あるいは事実として確認できない内容が含まれている可能性を否定できません」と書いています。
統一教会側からは、元会長の徳野英治氏もXで2026年1月8日に発信しました。TM特別報告書について、「私が韓総裁に報告するために元世界本部長に送った報告が含まれているのは事実」と自身の報告が含まれていることを認めた上で、「個人的意見や希望的予測なども多く含まれています」などと記しています。
自民党は元総裁の安倍晋三氏が殺害されて2カ月後、2022年9月に統一教会との関係を調査し「党としての組織的な関係はない」と結論を出しました。調査は議員による自己申告で極めて不十分なものでしたが、現総裁の高市早苗氏は、TM特別報告書を検証する意思が今のところは全くありません。2026年1月26日にはTBSの「news23」に出演。れいわ新選組共同代表の大石晃子氏にTM特別報告書に高市氏の名前が出ていることなどを指摘され「出所不明の文書」「名誉毀損になりますよ」とまで言っています。
Tansaは、3212ページある韓国語のTM特別報告書すべてに目を通しました。AIによる分析も活用し、翻訳者、取材パートナーである韓国の探査報道組織「ニュースタパ」と共に検証しました。
統一教会に関しては、ジャーナリストや研究者、被害者対策に取り組んだ弁護士や宗教家による膨大な調査結果が蓄積されています。Tansaは先達の仕事に敬意を払い、その成果も活用させていただきながら、TM特別報告書を検証しました。
その結果、統一教会と自民党の長年にわたる共依存を解き明かす上で、TM特別報告書は極めて重要な資料であると判断しています。
TM特別報告書について報じながら、取材を続けます。統一教会と自民党の癒着について、明かされていない内部情報をお持ちの方は、ぜひTansaまでお寄せください。責任を持って情報源を秘匿し、お守りします。
情報提供にあたっては、以下のページをご参照ください。連絡方法や注意点、公益通報者保護法のポイントを掲載しています。
https://tansajp.org/whistleblower/
統一教会は2015年に「世界平和統一家庭連合」と名称変更し、マスコミ各社は「旧統一教会」と呼称しています。しかし、教団がはらむ問題には連続性があるため、Tansaは「統一教会」と表記します。
2026年1月27日
Tokyo Investigative Newsroom Tansa
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