児童の性的画像や女性の盗撮画像などを取引していたアプリ「アルバムコレクション」が2023年12月31日、同アプリのウェブサイトで「サービス終了」を発表した。新規会員登録と新たなファイルの送信は12月31日まで、完全に終了するのは2024年1月31日だという。
アルバムコレクションが掲載したお知らせ
アルバムコレクションは、ユーザーが投稿した写真・動画を有料で入手するアプリだ。アプリの説明文などでは、修学旅行や家族の写真の共有に活用することを謳っているが、実際は児童が性的虐待を受けているものなど違法な性的画像の投稿が横行した。今月にはAppleが運営するApp Storeの「写真/ビデオ」カテゴリで、ランキングが1位に。被害が急拡大していた。
アルバムコレクションが引き起こす被害を食い止めるため、Tansaは2022年11月から本シリーズを始めた。今年12月15日には、AppleのCEOティム・クック氏に宛てて、App Storeからアプリを取り下げるかどうかを迫るメールを送信。Apple は3日後の12月18日、自社のApp Storeからアルバムコレクションを削除した。
ただ、アプリがApp Storeから削除された後も、すでにダウンロードされたアプリやウェブサイトを通じて違法な性的画像の取引は続いていた。今回アルバムコレクションの全てのサービスが終了すれば、違法な取引に使われるプラットフォームが一つなくなることになる。
苦しみ続ける被害者への責任をどのようにとるのか
アルバムコレクションは2017年から2023年の運営期間中に、多くの被害を生み出した。一度拡散してしまった画像を全て削除することは不可能に近く、被害者は苦しみ続けることになる。
違法な性的画像の取引自体がなくなるわけでもない。アルバムコレクションのサービス終了を受け、早くもX(旧Twitter)では、別のアプリや個別のチャットなどに誘導して取引を続けようとする投稿が見つかった。性的画像の取引は、場所を変えて続く。
アルバムコレクションでビジネスをしてきた運営者、そしてアルバムコレクションをApp Storeで扱い被害の拡大を促進したAppleは、どのように責任を取るのか。ネット上の性犯罪を防げない構造を作り上げているのは誰なのか。Tansaは引き続き追及する。
=つづく
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