編集長コラム

未来への投資(99)

2024年02月17日12時40分 渡辺周

このところ、インターンが続々とTansaに加入している。今は高校生2人と大学生2人の4人。きのうもインターン希望の高校生と大学生がTansaに面接のためやってきた。昨年の夏までは、しばらくインターンがいない期間が続いたから急に賑やかになった。

Tansaの前身のワセダクロニクルの時代もインターンは多かった。当初は早稲田大学に拠点を置いていたから、大学でジャーナリズムを学んでいる学生たちが、教授や先にワセクロに参加している学生の紹介で入ってきた。

今集っているインターンたちは志願だ。Tansaの存在を見つけて自ら飛び込んでくる。就職活動や大学進学など、多くの日本の学生が頭を悩ませている一方で、Tansaのインターンは冒険を楽しんでいるように見える。古波津優育(こはつ・ゆうすけ)ら、「卒業したらこのままTansaに就職するんだ! 」と意気込むインターンたちもいる。

どうしたらインターンたちを力あるジャーナリストに育てられるか。私は最近、探査報道のための取材や編集と同じくらいの熱量で、このことを考えている。

取材の同行やオープンデータの収集、情報公開請求など日々の仕事を経験してもらうのはもちろんだが、どうもそれだけでは足りない。場当たり的で、心構えも技術も体系的に把握できないからだ。再現力と応用力が身につかない。

そこで、ジャーナリストに必要な心構えと意識を体系的にレクチャーし、議論する勉強会を2週間に1回、設けることにした。取材や運営の仕事で時間がなかなか取れない渡辺、中川七海、辻麻梨子の都合を優先して、開催曜日と時間を決めた。

勉強会の日時をインターンたちに知らせると、高校2年の皐月水葉(さつき・みずは)から「勉強会にとても参加したいが、その日時は高校の部活があって参加できないので、身勝手なお願いですが、開催日時を変えてほしい」と連絡があった。

私は内心、うれしかった。参加したいから他の日にしてほしいという意欲が、頼もしかった。もう決まったことだからとあきらめていない。そもそも私が全員の都合を聞かずに決めたのが悪い。身勝手でも何でもない。日程を再調整した。

インターンの育成では、自分もパワーアップする。

教えるために経験や知識を整理して言語化しようとする過程で、自分自身の理解の浅さに気づく。勉強し直す。今の時代に必須なIT分野やビジュアライズは、インターンの方がよっぽど長けているので教えてもらえる。

私の親友の経営コンサルタントが、「Tansaの未来が楽しみだね」とおもしろいことを教えてくれた。これまでにはない変化を起こす組織は三つの条件を備えているというのだ。

①その分野の素人が多く、前例にとらわれない

②理念を共有している

③メンバーにダイバーシティ(多様性)がある

インターンと共にワンチームで変化を起こしていこうと思う。

昨年12月に始めたマンスリーサポーターを募集するキャンペーンでは、新たにサポーターを200人増やし、記者を1人雇用することを目指していました。今年1月31日までに、96人の方にご支援をいただいております。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます。

目標の200人を達成するため、マンスリーサポーター募集のお願いを継続します。2月は毎週月曜日に、今回のキャンペーン以降に登録されたマンスリーサポーターの人数を更新します。サポーター登録はこちらからできます。

ぜひ、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

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