編集長コラム

共同通信理事会の選択は ?(60)

2023年05月20日19時24分 渡辺周

いじめで子どもが自殺したら、これ以上の犠牲者は絶対に出さないよう大人は全力を尽くすのが当たり前だ。しかし、そうはなっていない。各人が保身に走る。今週木曜日から始めた「保身の代償~長崎高2いじめ自殺と大人たち~」は、この保身を抉っていく。まずはジャーナリズムの現場の保身として、共同通信と長崎新聞を取り上げている。

共同通信の水谷亨社長と、長崎新聞の徳永英彦社長に対して、Tansaは取材で掴んだ事実を列挙した上で見解を問う質問状を送っている。だが締め切りを過ぎても回答がない。「回答しない」とも「回答が遅れる」とも言わない。ただ無視を決めこんでいるようだ。中川七海が催促の電話をしても、会議中だの何だのと電話口にすら担当者が出てこない。伝言しても音沙汰がない。

こんなこともあろうかと、Tansaは同様の質問状を、共同通信の理事会のメンバーにも出している。共同通信には、日本全国の地方紙の社長らが理事会のメンバーとして参画しているからだ。地方紙は、地元のニュース以外は主に共同通信から記事の配信を受け料金を支払っているので「顧客」だが、同時に共同通信の「当事者」でもあるのだ。

質問状を出した理事会のメンバーは、会長である中日新聞社の大島宇一郎社長をはじめ42人。主に地方紙だが、理事であるNHKの稲葉延雄会長、日本経済新聞社の長谷部剛社長、毎日新聞社の松木健社長も含まれている。

回答の期日は来週水曜の5月25日。真摯な回答が返ってくるだろうか。それとも理事会で示し合わせて無視するだろうか。

シリーズの初回では、勇斗くんが6歳の時の写真を掲載した。誕生日ケーキに立てられた6本のろうそくを、勇斗くんはワクワクした表情で見つめている。

この写真をみても保身を優先するか。共同通信理事会のみなさんは、よくよく考えてほしい。

以下、質問状を送った理事会のメンバーを記す。

(敬称略)

理事会長 大島宇一郎(中日新聞社)

理事会副会長 小田敏三(新潟日報社)

理事会副会長 土居英雄(愛媛新聞社)

理事 稲葉延雄(NHK)

理事 近藤哲司(産経新聞)

理事 長谷部剛(日本経済新聞社)

理事 松木健(毎日新聞社)

理事 広瀬兼三(北海道新聞社)

理事 一力雅彦(河北新報社)

理事 釆田正之(東奥日報社)

理事 佐川博之(秋田魁新報社)

理事 寒河江浩二(山形新聞社)

理事 川村公司(岩手日報社)

理事 芳見弘一(福島民報社)

理事 中川俊哉(福島民友新聞社)

理事 若菜英晴(下野新聞社)

理事 沼田安広(茨城新聞社)

理事 内山充(上毛新聞社)

理事 須藤浩之(神奈川新聞社)

理事 野口英一(山梨日日新聞社)

理事 小坂壮太郎(信濃毎日新聞社)

理事 大石剛(静岡新聞社)

理事 矢島薫(岐阜新聞社)

理事 蒲地誠(北日本新聞社)

理事 砂塚隆広(北國新聞社)

理事 大西祐資(京都新聞社)

理事 高梨柳太郎(神戸新聞社)

理事 松田正己(山陽新聞社)

理事 岡畠鉄也(中国新聞社)

理事 松尾倫男(山陰中央新報社)

理事 平井龍司(四国新聞社)

理事 池上治徳(徳島新聞社)

理事 中平雅彦(高知新聞社)

理事 柴田建哉(西日本新聞社)

理事 長野健(大分合同新聞社)

理事 河野誠司(宮崎日日新聞社)

理事 河村邦比児(熊本日日新聞社)

理事 佐潟隆一(南日本新聞社)

理事 武富和彦(沖縄タイムス社)

監事 吉田真士(福井新聞社)

監事 中尾清一郎(佐賀新聞社)

監事 普久原均(琉球新報社)

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